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引きこもりから社会復帰するきっかけとは?――不安の正体と、少しずつ外へ向かうためのプロセス――

引きこもりの状態が続く中で、「このままでいいのだろうか」「いずれは社会復帰しなければ」そんな焦りの思いが頭をよぎることは少なくありません。

けれど、そう思えば思うほど体が動かなくなり、何もできない自分を責めてしまう。

実は、これは多くの引きこもり当事者が共通して抱える感覚です。

今回は、引きこもり状態にある人が感じやすい不安の正体と、そこから社会復帰を考えるための「きっかけ」や「プロセス」について整理していきます。

引きこもり状態で動けないのは「自分を守っている」証拠

まずは動けないでいる、今の状態を理解することから始めましょう。

将来が見えないことへの不安

引きこもりの状態が長くなるほど、「この先どうなるのだろう」という不安は強くなる傾向にあります。

仕事、収入、人間関係、これら生活の基盤に見通しが持てない状態は、それだけで大きなストレスです。

年齢や空白期間へのプレッシャー

「今さら社会に出られるのだろうか」「空白期間をどう説明すればいいのか」と、引きこもり状態が長引き年齢を重ねるにつれて、焦りが増していく方は少なくありません。

家族や友人、世間の同年代など、周囲と自分を比べてしまい、さらに自分を追い詰めてしまうこともあります。

「動けない自分」への自己否定

外に出られなかったり、働けなかったりすることを「怠け者」と捉え、自分を強く責めてしまうケースも多く見られます。

しかし自己否定が強まるほど、行動へのハードルは高くなってしまうのです。

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不安はある!それでも社会復帰がしたいなら

引きこもりの状態が続く中で、動かなければいけないと思えば思うほど、体も気持ちも固まってしまう。

そんな感覚を抱えている人は多いのではないでしょうか。

けれど知っておいてほしいのは、不安を抱えていると動けなくなるのは自然な反応だということです。

不安があるから動けないのは自然なこと

強い不安や緊張が続くと、人は無意識にエネルギーを使わない選択をします。

これは、これ以上傷つかないよう心と体が無意識に、守りの状態に入っているとも言えるのです。

そのため、「やる気が出ない」「外に出ようとすると苦しくなる」といった反応は、意志の弱さではありません。

むしろ、これまで頑張ってきたあなたを守るために、心と体がブレーキをかけているのです。

「不安がなくなってから動く」必要はない

「不安が消えたら動こう」そう考える人は多いでしょう。

しかし実際には、不安が完全になくなるのを待つのは現実的とは言えません。

多くの人は不安を抱えたまま、小さな変化をきっかけに、次の一歩を踏み出しています。

たとえば、誰かに話を聞いてもらったことや、「いきなり頑張らなくていい」と知ること。

ほんの少しのきっかけが、社会復帰に繋がることもあるのです。

社会復帰は「いきなり就職」ではない

社会復帰と聞くと、「働かなければならない」「普通の生活に戻らなければならない」と感じる方もいるかもしれません。

知っていてほしいのは、社会復帰にはさまざまな形があるということです。

いきなり就職することだけが、社会との関わりではありません。

生活リズムを整えることや、外との接点を少しずつ増やすことも、社会復帰へ向かう大切なプロセスの一つです。

今の自分に合った段階を踏んでいい

大切なのは、今の自分に合った段階を選んでいいという考え方です。

途中で立ち止まったり、逆戻りしたように感じることがあっても、それは失敗ではありません。

完全に不安を払拭することはできなくても、少しずつ進んでいく道の先に社会復帰があるのです。

社会復帰のきっかけは身近にある

ここでは実際に多くの人がたどっている、社会復帰までのプロセスについて具体的に見ていきます。

1. 「欲求・趣味」が限界を超えたパターン

「どうしてもこれがしたい!」というエネルギーが、不安を上回った瞬間の事例です。

推し活・趣味の軍資金: 趣味への情熱は大きな原動力です。「ソシャゲのガチャを回したいけど、親のお金を使うのは気が引ける」「ライブに行きたいけど、自分のお金でチケットを買いたい」という、好きの気持ちを持てることが、既に復帰への一歩なのかもしれません。

「美味しいもの」への執着: 「SNSで見かけたラーメンをどうしてもお店で食べたくなった」「深夜のコンビニスイーツではなく、デパ地下のケーキが食べたくなった」など、食欲が外に出る理由になった例もあります。

2. 「デジタル(ネット)」で自分と似た人を見たパターン

「自分だけじゃない」という安心感が、変化のスイッチになった事例です。

元引きこもり当事者のYouTube: 「自分より長く引きこもっていた人が、不器用ながらも働いている姿をYouTubeで見て、『完璧じゃなくていいんだ』と思えた」など。

SNSでのゆるい繋がり: 時にはゆるやかな連帯感が救いになることも。「X(旧Twitter)で同じ悩みの人と繋がり、その人が『今日はハローワークに行けた』と呟いているのを見て、自分も一歩踏み出してみようと思った」など、共通の悩みを持つ人の復帰へのプロセスが、自分を変えるきっかけになることもあります。

3. 「ごく小さな成功体験」の積み重ねパターン

「できた」という感覚が、次のステップを呼び寄せた事例です。

選挙の投票に行った: 「唯一、誰にも文句を言われず外出できる『権利』だと思って選挙に行った。会場で『ありがとうございます』と言われただけで、社会の一部に戻った気がした」という意見も見られます。

深夜の散歩から夕方の散歩へ: 「最初は誰にも会わない深夜に散歩していたけど、少しずつ時間を早めて、夕方の街の匂いや音に触れるうちに、人の中に混ざりたくなった」など、無理のない範囲で動いてみることがきっかけになることもあります。

4. 「第三者からの何気ない一言」パターン

家族ではない「他人」との接触が、殻を破った事例です。

コンビニ店員さんの挨拶: ゆるく地域や人と繋がることも良いきっかけです。「毎日通うコンビニの店員さんに『いつもありがとうございます』と顔を覚えられた。社会から消えていないことを実感して、もう少し活動範囲を広げたくなった」といった声も。

勇気を出した無料相談: 「匿名チャットの相談窓口で、『今のままでも、あなたは十分頑張っていますよ』と言われ、誰かに肯定されたことで初めて『外の支援』を探す勇気が出た」など。

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多くの人がたどっている社会復帰までのプロセス

実際の復帰までの4つのプロセスを、分かりやすく解説します。

① 生活リズムや気力を整える

最初は気負わず実行できることがいいでしょう。

「起きる時間を少し整える」「短時間だけ外に出てみる」など、小さな一歩で生活の土台を整えることが大切です。

② 外との接点を少しずつ持つ

散歩や買い物など、目的のはっきりした外出から始める人もいます。

人と話すことに不安がある場合は、まずは挨拶から始めてみましょう。

③ 人との関わりに慣れる

誰かと話す経験を重ねることで、「思っていたより大丈夫だった」と感じられることもあります。

もちろん失敗や気疲れもあるでしょうが、自然なことと受け止めてください。

疲れは自分を変えようとしている証拠です。

④ 社会活動や働くことを考え始める

少しずつ余裕が出てくると、ボランティアや体験的な活動、働くことについて考え始める人もいます。

ここまで来ても、「必ず次に進まなければならない」わけではありません。

まずは、能動的な気持ちになれた自分を褒めてください。

自分のペースを守った先に社会復帰があるのです。

一人で進むのが難しいと感じたときに利用できるサポート

社会復帰のきっかけを見てきましたが、ここまでのプロセスを一人で進めるのが難しいと感じる方もいるでしょう。

その場合、家族や支援機関に頼ることは、決して甘えではありません。

引きこもりの相談窓口や支援機関を利用してみるのも、社会復帰の第一歩です。

完璧な説明や、明確な目標は必要ありません。

相談すること自体が、社会とつながる行動なのです。

ここでは利用のハードルが低く、使いやすい相談先を紹介します。

ひきこもり地域支援センター(各自治体)

最初の相談先としておすすめしたいのがひきこもり地域支援センターです。

引きこもりに特化した公的な相談窓口で、本人だけでなく家族からの相談も受け付けています。

電話、来所、オンライン(自治体により異なる)で相談を受けつけており、生活の悩み、社会参加、就労準備、他機関の紹介など多岐にわたり支援してくれます。

「今すぐ何かを始めたいわけではない」「話を聞いてほしいだけ」という段階でも利用できます。

各市町村の福祉課(健康福祉センター等)でも案内してもらえることが多いです。

また、厚生労働省のひきこもり支援情報サイトで全国一覧の検索もできます。

参照:厚生労働省「全国のひきこもり支援機関」

よりそいホットライン

よりそいホットラインは匿名で、気持ちを吐き出したいとき利用できます。

生活面から気持ちの困りごとまで、幅広く受け止めてくれる相談窓口です。

引きこもり状態の人からの相談実績も多くあります。

24時間、匿名での相談が可能であり、本人だけでなく家族も相談できます。

℡ 0120-279-338(フリーダイヤル)

℡ 0120-279-226(岩手・宮城・福島から:フリーダイヤル)

参照:一般社団法人 社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」

地域若者サポートステーション(サポステ)

社会復帰や就労を少し意識し始めたら、地域若者サポートステーション(サポステ)の利用も視野に入ります。

15歳〜49歳までを対象に、キャリア相談、就労体験や講座の紹介など、就労や社会参加を支援する機関です。

「いきなり働くのは不安だけど、まずは外との接点は持ちたい」という方に向いています。

参照:サポステ

就労移行支援事業所

一般就労を目指す人向けの障害福祉サービスです。

就労移行支援事業所は、うつ病など様々な理由で引きこもり状態になった方も利用が可能で、「働く前の準備」や「生活の立て直し」を目的としたサポートもしてくれます。

状態に合わせた支援が受けられるため、自分のペースで社会との接点を持ちたい人にとって選択肢の一つです。

相談することも、もう一歩だね

ここあらさんのひとこと

「あせらなくて大丈夫

ゆっくりいこう~」

引きこもりから社会復帰を考えるきっかけは、特別な出来事である必要はありません。

「今のままでいいのだろうか」「自分を変えたい」と感じた、その気持ち自体が出発点です。

不安を抱えている状態でも、少しずつ変化を積み重ねていくことはできます。

そして、その道のりを一人で抱え込む必要はありません。

自分に合ったペースと方法を選びながら、できるところから社会復帰のプロセスを考えてみてもいいのではないでしょうか。

私たちCOCOCARAは、就労移行支援事業所として、障害等の事情があってお仕事に就くことに苦労している方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行っています。

「障害があるから仕事が見つからない…」などのお悩みを抱えている方は、一人で悩まずに一度相談に来てみてはいかがでしょうか。

私たちと一緒にご自分に合った働き方について考えてみませんか。

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