頭では大丈夫と分かっていても、職場に向かうだけで「またミスしたらどうしよう」「怒られるくらいなら、もう行きたくない」と強い不安に襲われて足がすくむ。
周りは普通に働いているのに、どうして自分はうまくできないのかと、自己嫌悪に陥ってしまう。
そんな苦しさを抱えている方は、複雑性PTSD(C-PTSD)の影響を受けているのかもしれません。
しかし、そのつらさは決して「甘え」や「努力不足」ではなく、働く環境との相性が関係していることが多いのです。
今回は、自分が職場の環境に合わせるだけでなく、環境を自分に合わせる働き方について解説します。
複雑性PTSDとは?仕事に影響する特徴をわかりやすく解説
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複雑性PTSDは、長期間にわたる強いストレスやトラウマ体験によって生じる心の反応で、感情や対人関係に幅広い影響を及ぼします。
フラッシュバックなどのPTSD症状に加え、「感情」「対人関係」「自己認識」の領域で深刻な困難を生じるのが特徴です。
ここでは、特に仕事に影響しやすいポイントを見ていきましょう。
感情のコントロールが難しくなる
些細な出来事でも強い不安や恐怖を感じたり、逆に感情が動かなくなったりすることがあります。
「上司の言葉を過度に重く受け止めてしまう」「ミスを長く引きずってしまう」といった形で、仕事の中に影響が現れます。
対人関係への不安や過敏さが強くなる
「嫌われているのではないか」という不安を感じやすく、人との関わりそのものがストレスになることがあります。
「報連相が怖い」「雑談や会話に強い緊張を感じる」といった状態は、職場での負担を大きくします。
トラウマ反応(フラッシュバックなど)が起こる
過去の体験を思い出すきっかけ(トリガー)によって、強い不安や身体反応が出ることがあります。
「強い口調で注意される」「大きな音や急な変化」など、こうした出来事に直面することで、働き続けることが難しくなる場合があります。
これらは性格ではなく、心と身体の防御反応です。
まずは、自分の状態を理解することが大切です。
自己否定感や自信の持ちにくさがある
複雑性PTSDでは、「自分はダメだ」「迷惑をかけている」といった強い自己否定を感じやすくなる方もいます。
「小さなミスでも強く落ち込む」「評価されても素直に受け取れない」といった形で、仕事への影響が現れることがあります。
ご相談しませんか?
なぜ複雑性PTSDの人は「今の職場」がつらく感じやすいのか?
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「どうして自分だけ、こんなに職場がつらいんだろう」と感じることはありませんか?
一般的な職場の環境は、複雑性PTSDの特性と合わない場合があるのです。
例えば、「空気を読む」「察する」といった社内文化がある場合、常に周囲を気にする状態を生みます。
これは対人不安が強い方にとって、大きなストレスになるのです。
また、職場ではミスは改善すべきものとされますが、ミスを指摘する方法によっては、複雑性PTSDの特性上「自分が否定された」と感じやすくなります。
そして、「仕事がつらくても我慢して乗り越えることで成長できる」といった価値観を持つ企業も少なくありません。
しかし、無理を続けることで心身の負担が蓄積し、働き続けることが難しくなることもあります。
ここで重要なのは、「つらさの原因は自分ではなく環境との相性である可能性が高い」という視点です。
【つらく感じる要因】
・同調圧力や暗黙のルールが多く、常に気を張ってしまう
・ミスが強い自己否定につながりやすい
・「我慢して働く」ことが前提になっている
逆転の発想「環境を自分に合わせる」という選択
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仕事を続けるために大切なのは、「自分が頑張って適応すること」ばかりではありません。
「自分に合う環境を選ぶ」視点を持つことが重要です。
トリガーを避けられる環境を選ぶ
複雑性PTSDの方にとって、トリガーを避けられるかどうかは重要なポイントです。
安心できる条件を優先することが、長く働くことにつながります。
【優先ポイント】
・強い口調の指導が少ない
・静かで落ち着いた環境
・指示が明確で予測しやすい仕事
支援にアクセスしやすい環境を選ぶ
環境というと仕事内容に目が向きがちですが、人の支えやサポート体制も重要な要素です。
複雑性PTSDの特性上、一人で抱え込まない仕組みがあること自体が大きな安心材料になります。
支援にアクセスしやすい環境は、不調を早めにケアすることにつながるのです。
【優先ポイント】
・不安や体調を相談できる相手がいる
・医師やカウンセラーと連携できる
・外部の支援サービスを利用しやすい
働き方そのものを調整する
一般的な働き方にとらわれず、自分に合った環境を選ぶことも大切です。
自分が何をつらいと感じるのかを理解して、無理のない働き方を選ぶことで、負担を軽減できることがあります。
【優先ポイント】
・在宅ワーク
・短時間勤務
・段階的な就労
働き方を見直し、データ入力や軽作業、在宅でのライティングなど、比較的刺激が少なく自分のペースで進めやすい仕事を選ぶことで、負担を抑えながら働ける場合もあります。
「頑張る方向」を変える
これまでの働き方では、「苦手を克服すること」や「周りに合わせること」が求められる場面が多かったかもしれません。
しかし、複雑性PTSDの特性がある場合、無理に苦手を乗り越えようとするほど心身への負担が大きくなり、結果的に働き続けることが難しくなることもあります。
ここで大切なのは、「努力の方向」を変えることです。
これまでの頑張り方を見直し、「自分にとって無理のない環境を見つける」ことに力を使うという考え方にシフトしていくことが重要です。
【×これまでの頑張り方】
・苦手なことに耐える
・無理に周囲に合わせる
・自分を押し込めて頑張る
↓
【〇これからの頑張り方】
・安心できる環境を優先する
・自分の特性に合う働き方を選ぶ
・無理を続けないことを大切にする
例えば、「静かな環境の方が集中できるならその条件を優先する」「人との距離が必要なら、それが保てる働き方を選ぶ」といったように、どうすれば無理なく働けるかを軸に考えていきます。
苦手を無理に克服しようとするよりも、合う環境を選ぶことの方が結果的に長く働き続けることにつながるのです。
ご相談しませんか?
自分に合った仕事を見つける3つのポイント
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自分に合う仕事を考えるときは、職種だけでなく「環境」に注目することが重要です。
どんな環境が自分に合っているのかを、次の3つの視点で整理してみましょう。
① 刺激の強さ(音・スピード・変化)
環境の刺激が強すぎると、それだけで大きな負担になることがあります。
自分が疲れにくい条件を整理しましょう。
・静かな環境が合うか
・変化が少ない方が安心か
② 人間関係の距離感
人との関わり方も、働きやすさに大きく影響します。
無理のない距離感を選ぶことが大切です。
・チーム中心か
・一人で進める仕事か
③ 業務の予測可能性
先の見通しが立つかどうかは、不安の感じやすさに直結します。
予測しやすい仕事は、不安を軽減しやすいメリットがあります。
・手順が決まっているか
・突発対応が多くないか
一人で抱え込まないために―支援という選択肢―
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「環境を変えることが大切なのは分かった」と思う一方で、「自分に合う環境が分からない」
「そもそもどうやって探せばいいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
自分に合う働き方を見つけるために、一人で考え続けるのは負担が大きいものです。
そんなときに、選択肢となる支援をご紹介します。
就労移行支援
就労移行支援では、専門スタッフとともに自分の特性や苦手を整理し、働きやすい職場環境の言語化、実際に働くための準備を進められます。
また、段階的に就労へのステップを踏むことができるのも特徴です。
サポートを受けながら、就労のイメージを固め、体調や状態に合わせて少しずつ慣れていくことが可能です。
自分に合う働き方を見つけるための、手段の一つとして活用してみてはどうでしょうか。
ハローワーク
ハローワークでは、求人紹介だけでなく、仕事探しに関するさまざまな相談を受けられます。
障害や心の不調がある方向けの専門窓口もあるため、体調や状況に配慮した働き方について相談することも可能です。
「いきなり応募するのは不安」「まずは仕事について話を聞いてみたい」という段階でも、利用しやすいのがメリットでしょう。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、こころの健康に関する相談を専門とする公的機関です。
仕事に対する不安やストレスについても相談することができ、必要に応じて医療機関や支援サービスにつなげてもらえることもあります。
「働くことへの不安が強い」「まずは心身の状態を整えたい」という場合に、土台づくりのサポートを受けられるのが特徴です。

ゆっくりかんがえよう~
ここあらさんのひとこと
「自分らしく
働ける環境を見つけよう」

複雑性PTSDの方が仕事をつらいと感じやすいのは、決して努力が足りないのではありません。
多くの場合、原因は環境とのミスマッチにあります。
だからこそ大切なのは、職場に自分を合わせることではなく「自分に合う環境を選ぶ」ことです。
自分が安心して働けるための条件を見つけていくことが、長く働くための第一歩になります。
私たちCOCOCARAは、就労移行支援事業所として、障害等の事情があってお仕事に就くことに苦労している方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行っています。
「障害があるから仕事が見つからない…」などのお悩みを抱えている方は、一人で悩まずに一度相談に来てみてはいかがでしょうか。
私たちと一緒にご自分に合った働き方について考えてみませんか。

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