お役立ちコラム

「何もできない自分」が嫌いなあなたへ。傷ついた心をそっと休めるお話

「今日も、何もできなかった」

夜、ベッドに入った瞬間に、そんなため息をついていませんか。

やりたいことや、やらなきゃいけないことは頭にあるのに、体がどうしても動かない。

結局、一日中何も進まないまま夜を迎えてしまうと、自分だけが社会から置いていかれたような強い焦りに襲われると思います。

「周りのみんなは普通に働いているのに、どうして自分はこんなにダメなんだろう」

精神障害や発達障害の生きづらさ、ひきこもり傾向、働くことへの強い不安を抱えているとき、この「何もできない時間」は本当に苦しいものです。

でも、どうか自分を責めないでください。

あなたが動けないのは、怠けているからでも、意志が弱いからでもありません。

今、動けなくなっているあなたの心が少しでも軽くなるように、その苦しさの理由を一緒に紐解いていきます。

なぜ「何もできない人間だ」と思い詰めてしまうのか?

あなたが「何もできない」と自分を責めてしまう背景には、実はあなたの心が抱えている「3つの大きな荷物」が関係しています。

それは、あなたの心がこれまで必死に傷つきながら生きてきた証拠でもあります。

まずはその荷物の正体を、一つずつ確認していきましょう。

失敗体験の積み重ね

過去に仕事で大きなミスをしてしまった、人間関係で深く傷ついた、学校や職場に行けなくなってしまった……。

そうした「上手くいかなかった経験」が何度も重なると、心には目に見えない傷跡が残ります。

すると、何か新しいことを始めようとした瞬間に、脳が「またあの時みたいに傷つくかもしれない」「どうせ次も失敗する」と強いアラートを出します。

あなたが動けないのは、過去の失敗から自分を守ろうとする防衛本能が働いているからなのです。

周囲と比較してしまう

「同世代の人はもう結婚して働いているのに」「SNSのあの人はあんなに充実しているのに」

そうやって、元気な他人と今の自分を比べていませんか?

他人の「輝いている一部分」だけを切り取って自分と比較すると、自分の欠けている部分ばかりが強調されて見えてしまいます。

周りが普通にできていることが自分にはできないという事実が、さらに「自分は何もできない」という思い込みを強くさせていくのです。

完璧主義

「働くならフルタイムで週5日しっかり働かなければならない」

「外に出るならちゃんとした格好をして、まともな人間らしく振る舞わなければならない」

そんな風に、無意識のうちに「100点満点の正解」を自分に課していませんか?

完璧主義な人ほど、100点に届かない自分を「0点(=何もしていない)」と判断しがちです。

ハードルが高すぎるあまり、スタートラインに立つことさえ怖くなってしまい、結果として体が動かなくなってしまいます。

「動けない」のは、心がこれ以上傷つかないための防衛反応

失敗体験、周囲との比較、そして完璧主義。この3つの重い荷物を背負っていれば、一歩を踏み出せないのは当然のことです。

「今日も起き上がれなかった」「何も行動できなかった」と落ち込むかもしれませんが、実はその「動けない」という状態こそが、今のあなたを守るために必要な反応です。

例えるなら、心に強い負荷がかかりすぎて、これ以上傷つかないように「ブレーカーがパチンと落ちた状態」なのです。

電気製品に一度にたくさんの電力を流すと、火事にならないようにブレーカーが自動的に電気を止めますよね。

人間の心も全く同じです。

これまでの度重なるストレスや、頭の中の焦りという「過剰な電力」によって心が焼き切れてしまわないよう、脳が安全装置としてあなたの体を動かなくしているのです。

もしこの状態で、無理に「頑張らなきゃ」と自分を奮い立たせて動こうとすれば、心は完全に壊れてしまうかもしれません。

動けない今の時間は、怠けや甘えなどではなく、脳と体が「これ以上は危険だよ」「まずは傷を癒やそう」と、あなたを守るためにあえてストップをかけてくれている、とても大切な時間なのです。

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今日は、荷物を下ろして「ただ息をするだけ」でいい

「動けないのは心が自分を守っている証拠」だと分かっても、やはり心の中の焦りは簡単に消えないかもしれません。

「そうは言っても、このままじゃいけない」「早くなんとかしなきゃ」という声が、頭の中で鳴り響くからですよね。

そんなときは、まず背負い込んでいる重い荷物を一回床に下ろして、今日一日を「ただ息をするだけで100点満点」にすることから始めてみませんか。

ここでは、完璧主義の縛りをほどき、過去や周囲に縛られた心を解放していくための具体的な過ごし方と心の持ち方をお話しします。

「0点か100点か」の白黒思考をお休みする

生きづらさを抱えているとき、私たちの思考は「白か黒か」の極端な二択になりがちです。

「週5日働けないなら、働いていないのと同じ」「家事が完璧にできないなら、何もしていないのと同じ」といったように、100点以外はすべて0点だと切り捨ててしまうのです。

しかし、人生も日々の体調も、グラデーションでできています。

100点のすぐ下には90点があり、50点があり、10点があります。

調子が悪い日は、この「白黒思考」を一度意識してお休みさせてあげてください。

そして、合格ラインのハードルを、地面に埋まるくらいまで思い切り下げてみるのです。

朝、とりあえず目が開いたから10点。

布団の中でスマホを眺めて、この記事を読めたから30点。

起き上がってお水を一杯飲めたから50点。

もし一日中寝て過ごしたとしても、「しっかり体を休めるというタスク」をこなしたのだから100点。

元気に動けている他人の100点と、今のあなたの100点は違って当然です。

今のあなたにとっての「生き抜いた事実」に、もっと優しい点数をつけてあげてください。

過去の失敗は「今のあなた」の評価ではない

「あのとき、あんな失敗をしなければ」

「前の職場で上手くいかなかった自分が、また同じ過ちを繰り返すんじゃないか」

そうやって過去の苦い記憶がフラッシュバックすると、まるで今この瞬間も失敗し続けているような錯覚に陥ります。

失敗体験の積み重ねは、それほど強く私たちの足を引っ張ります。

ですが、ここで一度立ち止まって考えてみてください。

過去に上手くいかなかったときのあなたは、きっと今よりも自分の特性やトリガー(体調を崩す引き金)について知らなかったはずです。

環境が合わなかったのかもしれませんし、周囲の理解が足りなかったのかもしれません。

今のあなたは、過去の失敗を通じて「自分はこういうときに体調を崩しやすいんだ」「こういう環境は苦手なんだ」という、大切なデータをすでに手に入れています。

過去に失敗したからといって、これから先も永遠に失敗し続けるわけではありません。

過去の出来事は、あなたの「人間としての価値」を決めるものでは絶対にないのです。

今はその記憶を「よくあの修羅場を生き延びてきたな」と、自分を労う材料に変えていきましょう。

SNSや他人の「タイムライン」から離れる

周囲と比較して落ち込んでしまうときの特効薬は、比較の対象となる情報を物理的にシャットアウトすることです。

特にスマートフォンで見るSNSのタイムラインや、同世代の活躍のニュースは、心が弱っているときには毒にしかなりません。

他人が発信する「楽しそうな様子」や「仕事の成果」は、その人の生活の最も調子が良い瞬間だけを綺麗に切り取ったものです。

その裏にある泥臭い部分や悩みは、画面には映りません。

そんな他人の「ハイライト」と、自分の「一番調子が悪い瞬間」を戦わせるのは、あまりにも不公平です。

誰かが決めた「普通の人生」のタイムラインに、あなたのペースを無理に合わせる必要はありません。

心がザワつくときは、思い切ってスマホを遠くに置き、自分の部屋の天井や、窓の外の景色だけを眺めてみてください。

他人の視線が入ってこない空間を作ることが、心を回復させるための第一歩です。

「何もしない」という、最も積極的な選択

「何もできない」と嘆く人は、休んでいる時間を「サボり」や「怠け」だと捉えています。

だから休んでいる最中も頭が休まらず、罪悪感でエネルギーをすり減らしてしまいます。

これからは、休むことを「何もできないから仕方なくダラダラする」のではなく、「次のステップへ進むために、今はあえて『何もしない』という選択を積極的にしているんだ」と考えてみてください。

スマートフォンだって、バッテリーが1%になったら充電器に挿して、しばらくは触らずにじっと置いておきますよね。

充電中に「どうして今すぐ動かないんだ」と怒る人はいません。

人間の心も全く同じです。これまでの失敗や比較でボロボロになった心には、まとまった充電期間が必要です。

今日は、未来の不安も、過去の後悔も、全部一度机の上に置いておきましょう。

あなたが今日やるべき唯一の仕事は、心地よい布団にくるまって、ただ息をして、体を温めることだけです。

それ以上に価値のある仕事は、今のあなたにはありません。

その時間を自分に許すことができたとき、心は少しずつ、本当に少しずつですが、内側から満たされていきます。

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心が限界な日を乗り切る、小さな「逃げ道」の作り方

頭では「休もう」と思っても、静かな部屋に一人でいると、どうしてもネガティブな考えがぐるぐると巡ってしまうことがあります。

そんなときに、あなたの心を焦りからそっと守るための、小さくて優しい逃げ道をいくつかご紹介します。

「五感」に意識を逃がしてあげる

脳が不安な考えでいっぱいになっているときは、五感(見る・聞く・触る・味わう・嗅ぐ)のどれか一つに意識を集中させてみてください。

例えば、

温かい飲み物を両手で持ち、その「温かさ」だけにじっと集中してみる。

お気に入りのブランケットの「柔らかい肌触り」を指先で確かめてみる。

雨の音や、波の環境音をただぼーっと聴き流してみる。

私たちの脳は、同時に複数のことを深く処理できません。

「温かい」「心地よい」という身体の感覚に意識が向いている間は、不思議と「自分を責める声」が少しだけ小さくなります。

「不安な気持ち」を紙に吐き出してみる

頭の中でモヤモヤとした焦りが止まらないときは、近くにある裏紙やノートに、今思っていることをそのまま書き殴ってみてください。

「苦しい」「何もしたくない」「焦る」「疲れた」など、どんなにまとまりのない言葉でも、綺麗じゃない言葉でも構いません。

これを心理学では「エクスプレッシブ・ライティング(感情の筆記)」と呼び、頭の中にある不安を外に吐き出すことで、頭の中を空ける効果があります。

書き終えた紙は、クシャクシャに丸めてゴミ箱にポイと捨ててしまって大丈夫です。

あなたの心の中にあるドロドロとした焦りを、紙と一緒に捨ててしまうようなイメージです。

「未来の約束」をすべて保留にする

「来週の予定はどうしよう」「来月までには動けるようにならなきゃ」と、先の予定を考えると余計に動けなくなります。

心が限界のときは、未来のことを考えるのを一切やめましょう。

明日以降の予定や約束は、一度すべて頭の中で「保留」にしてください。

あなたが責任を持つべきなのは、先の未来ではなく、「いま、この瞬間の自分が少しでも楽に過ごせるかどうか」だけです。

一歩先のことは、明日目が覚めてから考えれば十分に間に合います。

来週の予定は全スルー

ここあらさんのひとこと

「周りとくらべない

今日生きただけで満点だよ~」

「何もできない日」があっても、周囲より進みが遅くても、焦る必要はまったくありません。

心がエネルギーを失っているときは、まず徹底的に休むことが、結果として次の一歩へ進む一番の近道になります。

過去の失敗に怯えるのも、周囲と比べて焦るのも、あなたが「本当は現状をよくしたい」と願っている証拠です。

動けないのは心が傷つき、これ以上壊れないようにあなたを守ってくれているからに他なりません。

社会のタイムラインや、誰かが決めた「普通」のペースに自分を無理やり合わせる必要はありません。

100点満点の日を目指すのを一度やめて、今日を生き抜いた自分を優しく受け入れてあげてください。

まずは今日、布団の中で「ただ息をして過ごせた自分」に小さな拍手を送り、ゆっくりと眠りにつくことから始めてみませんか。あなたの明日の心が、少しでも穏やかであるように願っています。

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