お役立ちコラム

一般雇用と障害者雇用の違いって何? メリット・デメリットを知って自分に合う選択を

「自分に向いている働き方はどちらだろう――」

求職活動のスタートラインに立ったとき、一般雇用と障害者雇用のどちらを選ぶべきか迷う方は多いものです。

周りと同じように働けるか不安がある。

その一方で、障害者雇用を選ぶと選択肢が狭まるのではないか、という焦りも湧いてくるかもしれません。

ひきこもりやブランクの時期があったり、メンタルの波を抱えたりしているときは、どの道も一長一短に見えて立ち止まってしまうのも無理のないことです。

選択肢が多いからこそ、迷うのは当然。まずは頭の中を整理することが大切です。

就職や転職は、人生をより良くするための手段に過ぎません。目的ではないのです。

世間のイメージや思い込みで選ぶのではなく、それぞれの制度の違いをフラットに知ること。

そして、今の自分の心と体にフィットする選択肢を見つけることが大切です。

まずは、それぞれの特徴をシンプルに整理していきます。

仕組みや制度から見る「一般雇用」と「障害者雇用」の3つの違い

一般雇用と障害者雇用の大きな違いは、法律に基づく「合理的配慮」や「サポート体制」があるかどうかです。

ポイントを3つに絞って解説します。

1. 仕事内容と「合理的配慮」の範囲

一般雇用は、企業のルールや他の社員と同じ条件・スピードで業務をこなす働き方です。

苦手な作業や環境があっても、基本的には自分自身の工夫や努力でカバーすることが求められます。

会社側のルールに自分を合わせる。これが大前提です。

例えば、オフィスの雑音や電話の呼び出し音が苦手な場合でも、一般雇用では「周囲と同じ環境で、同じように電話応対をこなすこと」が求められるのが通常です。

マルチタスクの指示が飛び交う環境であっても、それをメモに取るなどして自分でやりくりしなければなりません。

一方、障害者雇用には法律で義務付けられた「合理的配慮」があります。

個々の特性に合わせて、働く環境を調整する仕組みです。

先ほどの例で言えば、マルチタスクが原因で混乱し、体調を崩しやすい人に対して、「指示は必ず1つずつ、メールや書面でもらう」という個別のルールを作ることができます。

あるいは、聴覚過敏があるため「オフィスの入り口やスピーカーから離れた静かな席にする」

電話対応がパニックに繋がるため「業務から電話対応を外し、データ入力に専念してもらう」

持病の波があるため「体調に合わせて急な休憩をとることを認める」といった具体的な調整も含まれます。

働く上での障壁(バリア)をあらかじめ減らすための具体的なアプローチ。

これを企業と事前に相談して決めることができるのが、障害者雇用の最大の特徴です。

2. サポート体制の違い

一般雇用の場合は、仕事の悩みや体調の相談は、直属の上司や人事担当者と直接交渉します。

しかし、職場の環境や上司の理解度によっては、個別の深い事情を汲み取ってもらうのが難しいケースも珍しくありません。

悪気はなくても「みんな同じように頑張っているから」と言われてしまうこともあります。

すべて自分で説明し、交渉する必要があります。

障害者雇用では、社内に「障害者職業生活相談員」などの専門スタッフが配置されていることが多く、日々の体調や業務の進め方を定期的に相談できる体制があります。

それだけではありません。

外部の支援機関(ハローワークや障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所など)の支援員が、あなたと企業の間に立って環境調整をサポートしてくれます。

直接は言いにくい本音や、業務量の調整なども、支援員を通じて企業に伝えることが可能です。

1人で抱え込まずに働ける仕組みが、制度として整っています。

3. 給与水準と労働時間の傾向

一般雇用はフルタイムの正社員比率が高く、成果に応じた昇給を目指しやすいため、経済的な自立や将来のキャリアアップを最優先にしたい方に向いています。

その分、求められる責任や成果のハードルは高くなります。

障害者雇用は、体調の安定を最優先にするケースが多いため、「週20〜30時間の短時間勤務」や「契約社員・パート」からのスタートが多く見られます。

働く時間が短い分、全体の平均月給は低くなる傾向にありますが、これは決して「不当に安く買い叩かれている」わけではありません。

ステップを踏みながら安定して長く働くための、無理のない配置がなされている結果です。

時給換算すれば最低賃金以上が保証されていますし、近年ではスキルや経験に応じて正社員への登用を行う企業も増加しています。

また、ITや専門スキルを持つ人向けに、一般雇用と変わらない高い給与体系を用意する企業も増えてきました。

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どっちが正解?それぞれのメリット・デメリット

どちらの働き方にも、得られる安心と、引き換えにする条件があります。

今の自分のエネルギー量と照らし合わせてみてください。

一般雇用のメリット・デメリット

メリット: 求人数や職種の選択肢が圧倒的に多い。フルタイムでしっかり稼げる。昇進やキャリアアップのチャンスが平等にある。

デメリット: 急な体調不良への配慮が得られにくい。「周りと同じ」を求められるプレッシャーがある。

一般雇用の強みは、なんといっても間口の広さです。世の中にあるほぼすべての求人が対象になります。

「自分の特性や過去の経歴をオープンにしたくない」「一般のフィールドで実力を試したい」という方にとっては、自由度の高い選択肢となります。

しかし、その自由さと引き換えになるのが、自己責任の重さです。

急なメンタルの不調で動けなくなったとき、会社側から「体調管理不足」と捉えられてしまうリスクは否定できません。

周囲の目線が気になり、無理を重ねてしまうケースもあります。

特に「クローズド(障害や病気を隠して働くこと)」を選ぶ場合、通院のための有給休暇の理由に嘘をつかなければならなかったり、職場で苦手な作業を断れなかったりと、心理的なストレスを1人で抱え込みがちになります。

障害者雇用のメリット・デメリット

メリット: 特性に合わせた配慮を堂々と受けられる。短時間からスタートでき、長く安定して働きやすい。

デメリット: 事務補助などの求人が多く、職種が限られやすい。初期の給与水準が低め。応募に障害者手帳の取得が必要。

障害者雇用の最大のメリットは「安心感」です。

最初から自分の得意・不得意を開示して入社するため、苦手なことで過度に責められる心配がありません。

通院のための休暇や、体調に合わせたシフト変更もスムーズに受け入れられます。

周囲の社員も「配慮があること」を前提として接してくれるため、心理的な安全性が高い状態で業務に臨めます。

一方で、選べる職種が「一般事務の補助」「軽作業」「清掃」などに偏りがちである点はデメリットと言えます。

「もっとクリエイティブな仕事がしたい」「自分の専門知識を活かしたい」という思いが強い人にとっては、選択肢の少なさに物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。

また、応募のために障害者手帳を取得し、企業に開示する必要があるため、心理的な抵抗感を持つ方もいます。

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障害者手帳の取得に関するよくある不安と誤解

障害者雇用を選ぶには障害者手帳が必要ですが、ここで「手帳を取ることに抵抗がある」と悩む方は非常に多いです。

よくある誤解について整理しておきます。

手帳を取っても周囲に知れ渡ることはない

手帳を取得したからといって、その事実が以前の職場や近所の人、友人に自動的に知られることはありません。

自分から開示しない限り、プライバシーは完全に守られます。

また、一般雇用の面接を受ける際に、手帳を持っていることを隠して応募(クローズド就労)することも法律上まったく問題ありません。

返還することも可能

手帳は一度取得したら一生持ち続けなければならないものではありません。

体調が回復したり、今後は一般雇用だけでいくと決めたりした際には、自治体に手帳を返還することができます。

まずは「今の時期を乗り切るためのお守り」として割り切って取得するのも一つの方法です。

迷ったときの判断材料に!自分に合う働き方がわかるセルフチェックリスト

具体的にどちらに応募するか考えるヒントとして、以下の基準を参考に「今のあなたの状態」を確認してみてください。

一般雇用が向いている状態

多少の波があっても、ご自身の工夫で平日の勤務時間を乗り切れる

通院や服薬のスケジュールを、夜間や休日など業務時間外で調整できる

プレッシャーよりも、職種の選択肢や収入面のメリットを最優先にしたい

周囲に自分の特性や事情を詳しく知られたくない

この状態にある方は、一般雇用にチャレンジする土台が整っていると言えます。

自分のペースで体調をコントロールできるスキルは、一般就労において強力な武器になります。

また、福祉的なサポートがなくても、自分で工夫して環境になじむ覚悟ができている時期なら、一般雇用でのびのびと働ける可能性が高まります。

障害者雇用を検討したほうが安心な状態

急な体調不良の波があり、突発的なお休みや遅刻への配慮がほしい

マルチタスクや特定の環境でのストレスなど、自分の努力だけではカバーしきれないバリアがある

ブランクからの復帰やひきこもり傾向からの脱却など、まずは無理のない時間から少しずつ体を慣らしていきたい

過去に一般雇用で働いた際、プレッシャーや環境の不一致でメンタルを崩してしまった経験がある

ここに当てはまる場合は、無理をして一般雇用を選ぶと、早い段階で体調を崩してしまうリスクがあります。

まずは比較的配慮を受けやすい環境で 、働くリズムを取り戻すことを最優先に考えるのが賢明です。

週20時間などの短い時間からスタートし、徐々に時間を伸ばしていくというアプローチは、長期的な安定に繋がります。

もし「どちらにも当てはまって決められない」と感じるときは、ハローワークの専門援助窓口などのプロに相談してみるのも選択肢の一つです。

手帳の有無に関わらず、今の状態に合う進み方を一緒に考えてくれます。1人で答えを出そうとする必要はありません。

配慮を味方に~

ここあらさんのひとこと

「自分に合っていれば

どっちでもいいんだよ~」

一般雇用と障害者雇用、どちらが優れているということはありません。

どちらも、あなたが無理なく社会とつながって生きていくための「道具」です。

また、この選択は一度決めたら変えられないものではありません。

「まずは障害者雇用で体力をつけ、数年後に一般雇用へ移る」

「一般雇用で始めてみて、難しければ切り替える」

このような柔軟な行き来も可能です。キャリアはいつでも修正できます。

大切なのは、「世間一般の普通」に自分を無理やり合わせることではなく、「今の自分が一番持続できる形」を選ぶこと。

焦って白黒つけようとせず、今のあなたが一番安心して朝を迎えられる環境を選んでみてください。

私たちCOCOCARAは、就労移行支援事業所として、障害等の事情があってお仕事に就くことに苦労している方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行っています。

「障害があるから仕事が見つからない…」などのお悩みを抱えている方は、一人で悩まずに一度相談に来てみてはいかがでしょうか。

私たちと一緒にご自分に合った働き方について考えてみませんか。

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