ひと昔前であればADHDは子供特有の障害というイメージがありました。
2013年に改訂、公開された「DSM-5」(精神疾患の診断・統計マニュアル)により成人のADHDが定義されたこともあり、現在大人のADHDは増加傾向にあると推測されます。
しかし成人後にADHDの診断を受けたといって、大人になってからADHDになったわけではありません。
ADHDは生まれ持った発達障害の一つなのです。
子供の頃はADHDで生じる問題が目立たなかった方も、大人になり社会人としての振る舞いを求められるようになると、「他の人のように上手くやれない」「ミスばかりしている」などの困難に直面します。
大人になり生きづらさを感じることで「ADHDだと気づく」ことが大人のADHDなのです。
今回は大人のADHDの失敗例から、ADHDとどのように付き合っていくのかをお伝えします。
ADHDの3つのタイプ
ADHDは症状の現れ方により主に3つのタイプに分けられます。
1.不注意優勢(不注意が目立つ)
2.多動性・衝動性優勢型(落ち着きがない、思ったことをよく考えずに行動してしまう)
3.混合型(不注意優勢型と多動性・衝動性優勢型が混在している)
これらは子供でも大人でも変わりませんが、年齢や性別によって現れやすい症状が異なることもあります。
大人のADHDって?
子供の場合、多動性や衝動性の症状は保護者や周囲が気づきやすく、早期の受診に繋がりやすいといえます。
しかし不注意の症状は子供の頃はあまり問題視されることがなく、見逃されてしまうことも多いのです。
多動性の症状は成長するにつれ減っていく傾向にありますが、反面大人のADHDでは不注意優勢型の方が多くなります。
大人になると会社や学校で求められることが増えるため、ADHDの方はそれに対応できず問題が顕在化するのです。
例えば納期管理や正確な確認作業、同時に様々な業務を行うマルチタスクを苦手とするADHDの方は多いのではないでしょうか。
ミスをして怒られることが重なると、挫折感やストレスからうつ病や適応障害などの二次障害を引き起こすこともあります。
そのため自分の特性を理解して適切な対応を取ることが大切です。
大人のADHDの方が日常生活で感じる困りごとは、以下のようなものがあります。
・集中力が持続しない
・不注意によるケアレスミス
・物忘れの多さ
・遅刻
・時間配分が苦手でタスクを消化できない
ADHDに男女の違いはあるの?
幼児期において男の子のADHDの診断数は、女の子の約3倍近くになります。
これは男の子の方が多動性や衝動性といった症状が表れやすく、早期の受診でADHDと診断されることも一因でしょう。
一方女の子のADHDは不注意優勢型が多いといわれます。
子供の不注意の症状は問題視されにくいため、大人になってから問題が表面化して初めてADHDと診断されるケースも少なくありません。
実際に大人になるとADHDの男女差は1:1~2:1ほどになります。
参照:山形大学大村 地域教育文化学部 大村一史「ADHDの認知機能における性差」 https://core.ac.uk/download/pdf/151440547.pdf
ADHDの方がしてしまった失敗例
ADHDの方は仕事や日常生活の場面で困難を感じることがあります。
周囲のADHDへの理解が浅いと「怠けている」「努力不足」などと評価されてしまうこともあるのです。
Aさんの場合
ブライダル関連の電話受付をしているAさん。
予約が多いとパニックになりがちで「頭の中も目の前のカウンターも散らかって、どこから手をつけていいのかわからなくなってくる」といいます。
参照:NHK HP「大人の発達障害 周囲はどうする?特性の理解こそサポートの第一歩」
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1451.html
Bさんの場合
商社に勤めるBさんは営業職です。
大切な商談の日、必要な書類を持ってくるのを忘れたことに気づきます。
急いで会社に引き返しましたが、出先が多いBさんの机の上は書類の山です。
何とか書類を探し出しましたが、結局15分ほど商談に遅れることになりました。
参照:ひだまりこころクリニックHP
Cさんの場合
昔から周りと少し違っていると感じていたCさん。
小学校の成績表には「落ち着きがない」「忘れ物が多い」などの文字が。
大人になり小説を書くカルチャーセンターに通っていた頃に、好きで書いているはずの小説をなかなか最後まで書けませんでした。
参照:AskDoctors HP https://www.askdoctors.jp/articles/201803
ADHDの治療法や付き合い方
ADHDは生まれつきの障害であり、根治することはできません。
そのため自分の特性と折り合いを付けていく工夫が必要になります。
ADHDの特徴と上手につきあって、日常生活での困りごとを減らしていくことが治療の目的なのです。
治療には生活環境の整備や行動面でのサポート、そして周りの人からの支援が欠かせません。
具体的な治療のアプローチとしては「環境調整」「認知行動療法」「薬物療法」が挙げられます。
生活しやすい環境を作り、自分のADHD特性による思考や行動の偏りを把握し整えていくことで、生きづらさを軽減できるのです。
今回ご紹介した体験談も医師や職場の上司の協力を得て、問題を解消できた方もいます。
ADHDと上手く付き合っていくためには自分自身がADHDの特性を理解するのは勿論ですが、家族や職場の人達の協力が重要なのです。
またADHDで悩まれている方のために支援機関も存在します。
発達障害者支援センターは発達障害の方のために相談や支援を行っています。
各センターの事業内容には地域性があるため、ご利用をお考えの方は地域の発達障害者支援センターにお問い合わせください。
またもっとADHDに理解のある職場に転職したいなど、就労のお悩みを持つ方のための福祉サービスとして、就労移行支援事業所や障害者就業・生活支援センターがあります。
就労移行支援事業所は発達障害などの障害や難病を持つ方の就労支援サービスとして、職業訓練や生活面でのサポートを行っています。
参照:発達障害者支援センター一覧 http://www.rehab.go.jp/ddis/action/center/
参照:厚生労働省HP「障害者就業・生活支援センターについて」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18012.html
まとめ
今回は大人のADHDの方がしてしまった失敗例や、自分のADHDの症状とどのように付き合っていくのかをお伝えしました。
「ミスが多い」「集中力がない」などデメリットがあることも事実ですが、興味や関心のあることには高い集中力を発揮し、発想力や独創性に富んでいるともいわれるADHDの方。
幕末の偉人、坂本龍馬もADHDだったのでは?という説もあるほどです。
周囲の人達にも自分のADHDの症状を理解してもらい、環境を整えることで自分らしく生活できるでしょう。
私たちCOCOCARAは、就労移行支援事業所として、障害等の事情があってお仕事に就くことに苦労している方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行っています。
「障害があるから仕事が見つからない…」などのお悩みを抱えている方は、一人で悩まずに一度相談に来てみてはいかがでしょうか。
自分に合った職場で働くお手伝いが出来たらと思っています。
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