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発達障害にはどのような種類や症状がある?就職で気をつけたいこと

近年よく耳にすることが増えた「発達障害」という言葉。

生きにくさを感じることが多い発達障害の方は「みんなと同じようにできない」「何度も失敗するのは自分の努力が足りないから」と、劣等感や自己嫌悪の気持ちを抱くことも少なくありません。

ここで知って欲しいことは、発達障害は生まれつき脳の働きに偏りがある障害で、本人の努力不足や育て方の問題ではないということです。

成長に伴い特性が落ち着く方がいる反面、子供の頃は発達障害と気がつかれなくても、成長して学校や社会に出てから問題が表面化することもあります。

一人一人の性格が違うように、特性を理解して適切なサポートを受けることで「違い」は「個性」へとなるのです。

今回は発達障害とは「どのようなもので、どういった症状があるのか?」また発達障害の方の働き方についてお伝えします。

主な発達障害の種類と症状

発達障害にもいくつかの種類があります。

主だった障害は3種類ありますが、症状が単独で現れることもあれば、人によっては複数の障害の症状がみられることもあるのです。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害(ASD)は人と上手に関われない障害です。

人の表情や言葉の裏を読んだり、場の空気を察したりすることが苦手なため、本人に悪気はなくても相手を不快にさせることがあります。

また物の置き場所や手順、行動など独自の「こだわり」を強く持ち、それらを無理に変えようとするとパニックになってしまうこともあるのです。

他にも感覚刺激に対して過敏・鈍いなどの特性が見られることもあります。

・対人関係が苦手

・同じ行動パターンを繰り返す

・変化に対応するのが苦手

・人の感情に共感しにくい

・比喩や暗喩・暗黙のルールを理解するのが苦手

参照:厚生労働省HP「e-ヘルスネット」

参照:厚生労働省HP「発達障害の特性(代表例)」

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shisaku/jigyounushi/e-learning/hattatsu/characteristic.html

注意欠如・多動性障害(ADHD)

自己コントロールが苦手な注意欠如・多動性障害(ADHD)の方。

特徴としては注意力が散漫(注意欠如)・衝動的な行動をとる(衝動性)・落ち着きがない(多動性)などの症状があげられます。

一般的に子供の頃に見られる多動性は成長するにつれ目立たなくなる一方、不注意の症状は成長後も見られることが多く、同じADHDでも子供と大人では症状の現れ方に違いがあると分かります。

また女性は多動性の症状が表れる割合が少なく、子供の頃は症状が見逃されるため、大人になって様々な環境の変化に対応できずトラブルが表面化することで、ADHDと診断されることもあります。

ADHDの症状は以下の3つです。

・不注意優勢型

・多動・衝動優勢型

・混合型

「不注意優勢型」の場合、不注意の特徴が強く現れ、忘れ物や一つのことに集中するのが難しいという特徴がみられます。

その一方で、自分が興味・関心のあることについては周囲の声が聞こえなくなるほど集中するため、人から話しかけられても気がつかないということもあります。

「多動・衝動優勢型」は多動性及び衝動性の特徴が多く見られます。

常にそわそわと動き回ったり、人の話を遮って話し続けてしまったりなど、感情や欲求のコントロールが苦手で、集団でも落ち着きのなさを指摘されることが多いのです。

「混合型」は「不注意」と「多動性・衝動性」の2つの特徴が現れます。

参照:厚生労働省HP「e-ヘルスネット」

学習障害(LD)

学習障害(LD)とは全般的に知的発達の遅れがないものの、「読む」「書く」「計算する」などの学習能力のうち、特定の能力の習得や活用が困難な障害です。

LDの症状としては以下の3つがあります。

・読字障害(ディスレクシア)

・書字障害(ディスグラフィア)

・算数障害(ディスカリキュリア)

「読字障害(ディスレクシア)」は失読症とも呼ばれています。

文字と音とが結びつかなかったり、単語が理解できなかったりする他にも、文字が歪んだり滲んで見えたり、鏡文字に見えるなどの症状がみられるのです。

それゆえ大人になっても「マニュアルを読めない」「メールの文章を読み飛ばしてしまう」などの問題が発生します。

「書字障害(ディスグラフィア)」は書字表出障害とも呼ばれます。

文字と音が結びつかない、文字の形を認識できないなどの症状があります。

また手先が不器用で、文字の大きさを揃えられないといった特徴もみられます。

書字障害の方が大人になると、日常生活でも「聞いた内容をメモに取れない」などの困難を伴うのです。

「算数障害(ディスカリキュリア)」は失算症とも呼ばれています。

読み書きには全く問題がなくても、数の概念が身につかず大人になっても生活の様々な局面で困難を感じます。

そのため「時計を読むのに時間がかかる」「簡単な計算ができない」「九九がわからない」といった日常的な困難に直面するのです。

参照:厚生労働省HP「e-ヘルスネット」

発達障害の方の仕事上での困りごとや工夫など

発達障害の方は個々の症状によって苦手とすることがあります。

円滑に仕事を進めるうえでの工夫はもちろんですが、苦手なことではなく得意なことを仕事にできる職場環境も大切です。

ASD、ADHD、LDの方が仕事で直面する問題やトラブルを回避する工夫、向いている仕事などをお伝えします。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の方の仕事の工夫

こだわりが強く、人と密なコミュニケーションを取ることが苦手なASDの方。

あまり多くの人とコミュニケーションを取る必要がない仕事で、力が発揮できるといわれています。

他の発達障害よりも特性がはっきりしているとされるASDの方は、対策が立てやすいため適職を見つけやすいのです。

マニュアルがしっかりと確立されている仕事や定型業務が良いとされており、たとえば経理やプログラマー、研究職、デザイナー、職人、工場のラインなどが向いている仕事といわれています。

注意欠如・多動性障害(ADHD)の方の仕事の工夫

ADHDの方が仕事をする上で問題になるのがケアレスミスの多さや、仕事の優先順位を付けられないことです。

またスケジュール管理やマルチタスクを苦手としており、物事を先延ばしにする特徴があるため、仕事の納期を守れないということもあります。

対策としてこまめにメモを取ったりスマホのスケジュール機能やアラーム機能を活用したりすることがおすすめです。

また可能ならば作業の段取りや声掛けなど、周囲の同僚や上司にサポートを頼める職場環境があれば安心でしょう。

好奇心が強く行動力のあるADHDの方は毎日同じ仕事の繰り返しよりも、日によって違うことができる仕事が向いているといえます。

料理人や物づくりなど、興味のある仕事にトライしてみてはどうでしょうか。

学習障害(LD)の方の仕事の工夫

一言でLDといっても、どの能力が欠けているかによって向いている仕事が変わってきます。

無理に苦手を克服しようとするよりも、苦手な能力を使わない仕事で自分の力を発揮することがおすすめです。

視覚で物事を把握できる、カメラマンやデザイナーなどが向いているとされます。

もし苦手な能力を必要とする仕事なら、自分に合った工夫や配慮が必要でしょう。

たとえば読字障害の方がマニュアルのある仕事をするのであれば「じっくりとマニュアルを読む時間を作ってもらう」「実際にやって見せてもらう」といった工夫が、書字障害の方の場合は「メモの代わりに録画や録音させてもらう」など自分の特性を補う工夫が必要です。

発達障害の方が自分らしく働くための支援機関

障害を持つ方が自分らしく働くことを支援するサービスがあります。

仕事や生活のことで悩みがある方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。

【就労移行支援事業所】

就労移行支援事業は一般企業への就労を目指す、障害を持つ方のための通所型就労支援サービスです。

職業訓練や就職活動のサポートを行っており、利用者一人一人の障害特性に合った就労スキルや、働くための工夫を身につけられます。

障害者手帳を持たなくても、主治医の意見書や自立支援医療受給者証での申請も可能です。

また就労定着支援を行っているため、利用者が就職後に企業との間でトラブルが起きた場合には問題解決のためのサポートもしてくれます。

【発達障害者支援センター】

発達障害者支援センターは発達障害者全般の支援機関です。

発達障害を持つ方と家族の豊かな地域生活の実現のために、保健、医療、福祉、教育、労働など各機関と連携した包括的な支援を行っています。

障害者手帳を持たなくても利用することが可能であり、各都道府県に1か所以上設置されているので、ご利用を検討されている方はお近くの支援センターにご相談ください。

参照:発達障害支援センター・一覧

http://www.rehab.go.jp/ddis/action/center/

【ハローワーク】

ハローワークには障害や疾患のある方を対象とした募集もあります。

専用窓口では障害特性や疾患の症状、障害の程度を踏まえた求人の紹介をしています。

場合によっては求職者の現状により、適した支援制度や施設を紹介することも可能です。

障害者手帳がなくても利用できますが、医師の診断書など自分の障害や疾患の概要が分かるものを持参してください。

まとめ

発達障害(ASD、ADHD、LD)の症状や、仕事をする際の困りごとへの対策方法をお伝えしました。

特性の現れ方は人によって濃淡があり、また複数の症状が合わせて出現している方もいます。

自分の障害特性を理解することで、苦手なことや得意なこと、必要とする支援が分かるようになるのです。

自分の得意を生かせる仕事は、自分らしく生きる上でとても重要ではないでしょうか。

私たちCOCOCARAは就労移行支援事業所として、疾患や障害等の事情があってお仕事に就くことに苦労している方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行っています。

「スムーズに復職できるか不安……」「再就職先が見つからない……」などのお悩みを抱えている方は、一人で悩まず一度相談ください。

利用者様一人一人に寄り添い、自分のペースで働くためのお手伝いをさせて頂きます。

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