おはようございます、サービス管理責任者の関です。
今回は現代ビジネスから気になるタイトルがありましたので紹介します。2/8付の記事からです。単純な読みもの的に見て頂けるといいかと思います。
合格すれば、前途洋々の明るい未来が待っている―。東大受験生たちは、かたく信じて今日も勉学に励んでいる。だが、そんな時代はとっくに終わった。東大卒を取り巻く社会環境は激変している。
「マーチ」に負ける
日本中の成績優秀な受験生たちが目指す国立大学の最高峰。それは言うまでもなく東京大学だ。
合格できるのは一学年でたった3000人ほど。狭き門をくぐり抜けただけあって、将来は引く手あまたの天才たちがひしめきあう。
東大生に対して、こうしたイメージを抱いているとしたら、それはいまや幻想に過ぎない。
「もちろん本当に優秀な東大生の能力は青天井です。彼ら彼女らは大抵のことを普通の人の半分以下の時間で済ませられる。でも、その割合は、一学年にせいぜい1割ほど。 残りは真面目な秀才か、あるいは受験勉強の要領に恵まれた『普通の人』に過ぎません。同じ大学のなかで、これほど『格差』が大きいところは他にないでしょう」
こう語るのは、『東大なんか入らなきゃよかった』(飛鳥新社)の著者で書籍ライターの池田渓氏だ。自身も東大農学部を卒業、同大学院を修了した池田氏は、数多くの東大卒業生を取材してきた。その過程で池田氏が目にしたのは、一般企業に就職するも、他大卒の上司や同僚と馴染めず、苦しむ彼らの姿だった。
「営業成績が張り出されて、みんなの前で上司に『短大卒のアイツがあれだけの数字をあげているのに、天下の東大を出ているお前の数字はなんでパッとしないの? やる気が足りないのかな』なんて詰められると、プライドはズタズタだよね。いまでも思い出すだけで死にたくなる」
これは、池田氏の友人・加瀬良介さん(仮名・30代後半)がこぼした愚痴だ。
加瀬さんは東大法学部を卒業後、メガバンクに就職。配属された支店で言い渡された業務は、中小企業や個人向けの営業だった。
会社の社長や資産家の自宅を一軒ずつ訪問し、保険や投資信託の購入を打診する。客の機嫌を窺い、断られても粘り強く訪問を続ける。学生時代の大半を机に向かって勉強することに費やしてきた加瀬さんにとって、それは想像を絶する「苦行」だったという。
「俺が並の数字しかあげられないなかで、マーチ(明治・青山学院・立教・中央・法政)卒の『学生時代はイベント系サークルやテニスサークルでひたすら楽しんでいました』みたいな連中が、口のうまさと体力にあかしてガンガン契約をとってくる」
最終的に加瀬さんは精神を病み、会社を無断欠勤。産業医との面談の末、休職を余儀なくされた。
加瀬さんのような、勉強一辺倒だったがゆえのコミュニケーション能力の欠如は、「東大で終わってしまう人」の典型として、しばしば俎上に載せられる。
「一昔前は東大生という肩書があれば、どんなに成績が悪くても企業に拾ってもらえた。おかげで、たくさん映画を見るとか、本を読むとか、あるいは恋愛でもいいけれど、勉強そっちのけで何かに没頭する学生が結構いて、就職した後でそれが人付き合いに生きる部分がありました。
でもいまは、他の大学と同じように成績を見られるから、皆が勉強に忙しく、ゆとりがあまりなさそうに見える」(東大法学部卒で元文部官僚の寺脇研氏) 気難しい、屁理屈が多い、プライドが高すぎて扱いづらい……。 東大卒を指してそう指摘する声が多いのは、今も昔も変わらない。
東大卒の部下に手を焼いた経験を話すのは、大手システム開発企業の40代中間管理職だ。 「ある時、中小の取引先にシステムを納品することになり、先方のニーズを反映するためのヒアリングに東大卒の部下を連れて行ったんです。ところが、彼は先方と会って早々、『世界標準ではこうなっている。たとえばグーグルでは……』と、大上段の話をする。相手の希望はお構いなしなのです。 ならば、大きな仕事がしたいのだろうと思ってプロジェクトを任せようとすると『いや、それは』『いや、でも』とできない理由を滔々と並べ立て、なかなか前に進まない」
便利だけどそれだけ
昔であれば、たとえコミュニケーション能力に劣ったとしても、東大生が社会的に成功する道はいくつもあった。
「目の前に与えられた膨大な仕事を要領よく捌いていくという彼らの能力は、法律を運用する弁護士やキャリア官僚になるうえでうってつけでした。
弁護士になれば高額の収入が約束されるし、官僚なら国を動かしているというプライドを持てた。苦労して手にした『東大ブランド』を捧げるにふさわしい仕事だった」(人材コンサルタントの海老原嗣生氏) ところが、法科大学院が導入されて以降、弁護士は供給過多となり、所得の中央値は’06年の1200万円から、’18年には650万円まで減少。
一方のキャリア官僚は激務薄給のうえ、かつてのように国を動かす力はない。官公庁において「東大法科にあらずんば人にあらず」と言われた時代は、遠い昔。’21年度春の国家公務員「総合職」、いわゆるキャリア採用における東大出身者の割合は、たったの14%だ。
いま、「平均的な東大生」たちが目指す進路は、プライドが満たせて、なおかつ給料も極めて高い大手企業への就職だ。 「一番の『勝ち組』は、マッキンゼーやデロイトトーマツといったコンサルティングファームで、みんなこぞって受ける。でも採用人数は少ないので優秀層ですぐ埋まってしまう。残りの人気就職先は、早稲田や慶應とそう変わらないと思います」(現役東大生) たとえば、昨年の学部卒の東大生をもっとも多く採用したのは楽天(19人)。2位が三菱商事(16人)、3位が三菱UFJ銀行(15人)と続く。 民間に進む東大生が増えた現在、かつてのように、入社すれば自動的に幹部候補として大事に育ててもらえるという保証は、もはやどこにもない。
素早く問題を処理し、次々と作業をこなしていく能力に長けている東大生たちほど使い勝手の良い道具はない。ただしスマートフォンのごとく、型落ちになればすぐ捨てて、最新型に乗り換える。東大生は、企業からそういう使い方をされる存在になったのだ。 会社から見れば、分析力に長けた頭脳は20代~30代までならば非常に重宝できるという。ただ、その後役職が上がれば、他部署との調整も重要な業務のひとつとなる。そんなポジションに就いた時こそ苦労をしてしまうというのだ。そんな悲劇を後編記事『「東大で終わる人」「東大からの人」の明暗を分ける“意外な要素”』でお伝えする。『週刊現代』2022年2月12日号より
意外に身近にあるかもしれませんね。 以上、サービス管理責任者の関がお送りしました。
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