厚生労働省の調査によると、1年間にメンタルの不調が原因で1カ月以上の休業、もしくは退職した労働者がいた事業場の割合は1割(10.1%)に及びます。
「休職した後に職場復帰できるのだろうか……」と不安を感じる方も少なくないでしょう。
そんな休職に伴う不安を解消する手段として、リワークの利用が挙げられるのです。
一部には「リワークは意味がない」という意見もありますが、メリットとデメリットを理解してリワークを有効活用しましょう。
参照:厚生労働省HP「労働安全衛生調査(実態調査)」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r03-46-50b.html
リワークとは?メリットやデメリットも
リワークとは「retern to work」の略で、うつ病や適応障害といったメンタルの不調により休職した方が、スムーズに復職するためのプログラムです。
一言でリワークといっても「リワーク支援」「職場復帰プログラム」「復職支援プログラム」など、リワークは様々な名称で呼ばれています。
メンタルの調子を崩して休職された場合、症状が改善しても「また同じようにメンタルに不調をきたすのではないか」と不安を感じることもあるでしょう。
リワークは定められた施設へ定期的に通いながら、演習や対人コミュニケーションのロールプレイ、ストレスコントロールといったプログラムを行って、スムーズな職場復帰を目指します。
これらのリワークプログラムを経て職場復帰した方は、復職後の再休職率が低いという報告がなされており、復職を目指す方にぜひ知ってほしい制度です。
もちろんリワークにはメリットだけでなくデメリットもあります。
メリットとデメリットの両方を知ることで、自分に合った復職への準備をしましょう。
【メリット】
復職までの間にリワークプログラムという段階を踏むことで、スムーズな職場復帰が可能となり、メンタル不調の再発や再休職を防げます。
また客観的な職場復帰のタイミングを知るうえでも、リワークを行う機関のスタッフから助言を受けられて安心です。
他にも同じプログラムを行う仲間がいることで、求職中に陥りがちな孤独感を軽減し、モチベーションの維持にもつながります。
【デメリット】
一番のデメリットは時間や費用がかかることです。
また自分が受けたいリワークプログラムを実施している機関が近くになかったり、予約が取りにくかったりといった点もあります。
他にも一定のリワークに関しては、公務員が受けられないものがあるため、リワークの利用を考えている方は事前に調べておきましょう。
参照:平成28年「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/hojokin/dl/28_14010101-02.pdf
参照:「職場復帰支援の再考―職場に焦点化した集団認知行動療法プログラムの試み―|心身医学2018年58巻4号」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/58/4/58_334/_article/-char/ja/
リワークプログラムの基本内容
リワークプログラムでは、ストレスへの対処法や体調を整えるための様々な取り組みがなされています。
代表的なリワークプログラムをいくつか紹介します。
グループミーティング
同じリワークプログラムに参加する休職者が、自分の症状や生活リズム、復職への不安といったテーマについて話し合うプログラムです。
同じような悩みを持つ他の参加者と交流することで、自分では思いつかなかった精神の不調への気付きや発見を得ることを目的とします。
ストレスマネージメント
自分がどのような場面でストレスを感じるかを分析し、早い段階でストレスに対処する方法を学びます。
復帰後の心身を良好に保ち、再休職を防ぐために、ストレスに対して適切な対応ができるようになることを目指します。
オフィスワーク(作業課題)
パソコン操作や書類作成など、復職時に行う業務に似た作業をして、仕事に対する集中力を高めます。
オフィスワークの初期段階において、仕事への集中力や思考力が回復しておらず作業を行うのが難しい場合は、新聞や読書で過ごすこともあります。
ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)
SSTでは対人関係で困った事柄への対処法を挙げ、実際にリワークプログラム参加者が「上司」「部下」「同僚」といった役割を演じて、対人関係で苦手とする場面の練習を行うロールプレイのことです。
ロールプレイを繰り返すことで、職場での対人関係のトラブル解決能力を身につけます。
キャリアデザイン
休職期間にこれまでのキャリアを見直し、「自分になにができるのか」「今後どんな風に仕事をしていきたいのか」と自分のキャリア観を見直すチャンスにします。
リワークを行う施設は4つ
リワークプログラムは実施している施設によって内容が異なるため、自分に合った施設でリワークを行うことが重要です。
医療リワーク
精神科や心療内科などの医療機関で実施されるリワークプログラムです。
医師や看護師、心理療法士、ソーシャルワーカーといった医療スタッフによって、病状の回復や再発防止のプログラムが実施されます。
医療行為の一環であるため、健康保険制度や自立支援医療制度の利用が可能です。
地域障害者職業センターでのリワーク
各都道府県に1カ所以上設置されている、地域障害者職業センターが実施するリワークプログラムです。
特徴としては休職者本人だけでなく、雇用事業主にも支援を行います。
地域障害者職業センターのコーディネーターが「休職者」「雇用主」「主治医」と連携して、復職のプランを作成します。
利用期間は最長で3カ月、雇用保険から料金が支払われるため無料ですが、公務員の方は利用対象外となっているため注意が必要です。
参照:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構HP「地域障害者職業センター」
https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/index.html
参照:厚生労働省HP「地域障害者職業センターの精神障害者職場復帰支援(リワーク支援)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000022whe-att/2r98520000022wkf.pdf
職場でのリワーク
企業内部に医療機関や専門部署がある企業の場合、復職に向けた職場復帰訓練制度の実施や、EAP(従業員支援プログラム)サービスを利用している企業もあります。
在籍している企業でリワークを行っているかは、人事部や総務部に確認してみましょう。
参照:厚生労働省HP「e-ヘルスネット」
就労移行支援事業所でのリワーク
就労移行支援は障害のある方の一般企業への就労支援を行う制度です。
就労移行支援事業所の中には、リワークプログラムを実施している事業所もあります。
うつ病や適応障害など精神障害を持つ方の就労や、就労後の職場定着に対して豊富なノウハウを持っていることが特徴です。
利用料金は前年度の所得状況に応じて自己負担額が異なっています。
各事業所によってリワークプログラムの内容や利用対象者が変わるため、どのようなプログラムを実施しているか事業所に問い合わせてみましょう。
【就労移行支援事業所利用料金】
区分 | 世帯の収入状況 ※1 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 ※2 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) ※3 ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます。 ※4 | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
※1 配偶者がいる方は、利用者本人と配偶者の所得の合算となります。一緒に暮らしている両親や兄弟の収入は合算されません。
※2 3人家族で障害基礎年金1級の場合、収入がおおむね300万円以下の世帯が対象です。
※3 所得割が16万円未満とは、おおむね収入が600万円以下の世帯です
※4 入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
参照:厚生労働省HP
復職で不安なこと5選
メンタル不調で休職した方にとって、復職を前に不安を感じることは珍しくありません。
リワークや復職前の準備によって、不安を少しでも軽減させて、無理のない形で職場復帰しましょう。
1.「通勤するだけで疲れてしまう……」働くための体力があるのかが不安
休職中はどうしても活動量が減ってしまいます。
そのため週5日間勤務する体力があるのかと、不安に感じる方もいるでしょう
復職前に2週間、復職した時と同じ時間と場所に模擬通勤(通勤訓練)を行うことで、不安を払拭する手助けになるでしょう。
またリワークのために施設に通うことが通勤訓練にもなります。
2.「すっかり夜型の生活になってしまった……」生活リズムの崩れが不安
休職し自宅にいる時間が長くなると、生活リズムは崩れがちになってしまいます。
生活リズムの乱れは仕事のパフォーマンスだけでなく、心身の不調に繋がる大問題です。
生活記録表などを活用して一日の生活リズムを整えましょう。
特に復職後1ヶ月は久しぶりの仕事や疲れなどにより、生活習慣が乱れやすい傾向にあるため注意が必要です。
3.「また会社にいくとメンタルが崩れるのでは……」メンタル不調の再発の不安
職場に復職するにあたって、再発の不安を抱く方は多いのではないでしょうか。
しかし焦って復職するのは絶対に避けるべきです。
大きなストレスがかかれば、メンタル不調の再発が懸念されます。
業務内容の調整や部署の変更などの配慮を得られないかを、上司に相談してみるのも一つの方法です。
4.「自分の居場所はあるのか……」以前と同じように働けるのか不安
復職したからといって、すぐに以前と同じペースで働けるわけではありません。
復職から一定期間は「リハビリ期間」と考え7割の力で働き、段階的に仕事量を戻していくようにしましょう。
無理をすれば再発の可能性も高くなるため、急がば回れという気持ちが重要です。
5.「同僚や上司にどう思われているのか……」周囲の理解を得られるのか不安
復職後に「休んでいた間の遅れを取り戻したい」と、最初からエンジン全開で頑張りすぎると、体調を崩し再休職になってしまうこともあります。
可能であれば、周囲の同僚たちにメンタル不調による休職だったことを伝えて協力を求め、大きなストレスや疲れを蓄積させない計画的な職場復帰を目指します。
今後どうやって仕事と向き合っていくか、自分の働き方を見つめ直す機会にしましょう。
まとめ
今回は休職した方の職場復帰を支える、リワークについてご説明しました。
メンタル不調で休職すると「前のように仕事ができるのかな……」と不安に感じてしまいます。
しっかりと症状を治し、再びメンタルを崩さない働き方を模索することが大切ではないでしょうか。
そのためにリワークは有効な方法です。
私たちCOCOCARAは、就労移行支援事業所として、障害等の事情があってお仕事に就くことに苦労している方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行っています。
「障害があるから仕事が見つからない…」などのお悩みを抱えている方は、一人で悩まずに一度相談に来てみてはいかがでしょうか。
私たちと一緒にご自分に合った働き方について考えてみませんか。
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