近年、発達障害の認知度や理解度は高まっているものの、未だ障害当事者や家族の多くが「日常生活の中で十分な理解を得られていない」と感じるそうです。
子供やパートナーなどの家族が発達障害であった場合、周囲はどのように対応すればいいのでしょうか。
今回は発達障害の当事者だけでなく、彼らを支える家族の障害との向き合い方やサポートのヒントをここあらさんとお伝えします。
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発達障害とは?
発達障害は生まれつき脳の働き方の偏りによって、日常生活に支障が生じている状態です。
主に注意欠如・多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)などが知られていますが、吃音やチックなどの症状が現れる方もいます。
また人によっては複数の症状がみられることもあります。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
注意欠如・多動性障害(ADHD)は自己コントロールが苦手な障害です。
特徴としては注意力が散漫(注意欠如)、衝動的な行動をとる(衝動性)、落ち着きがない(多動性)などがあげられます。
一般的に男性は「多動・衝動優勢型」の症状が現れる傾向があり、女性に多い症状は「不注意優勢型」です。
幼児期には多動性の症状がよく見られるため、多動・衝動優勢型の症状の方は2~3歳時健診でADHDの疑いがあると告げられることがあります。
そのため大人になってADHDの診断を受けるのは、女性や不注意の症状が目立つ方に多いといわれています。
参照:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター「自閉スペクトラム症(ASD)」
自閉症スペクトラム障害(ASD)
自閉症スペクトラム障害(ASD)は人と上手に関われない障害です。
症状の現れ方は人それぞれ異なりますが、相手の表情や言葉の裏を読んだり、場の空気を察したりするのが苦手な傾向があります。
そのため本人に悪気はなくても、相手を不快にさせてしまうことも少なくありません。
また手順や行動などに独自の「こだわり」を強く持ち、それらを変えるとパニックになってしまうこともあります。
他にも感覚過敏や感覚鈍麻など、外部刺激をうまく処理できない症状がみられる方もいます。
参照:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター「ADHD(注意欠如・多動症)」
学習障害(LD)
学習障害(LD)とは、全般的に知的発達の遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」など、特定の学習能力の習得や活用が困難な障害です。
失読とも呼ばれる「読字障害(ディスレクシア)」は、文字と音とが結びつかない、単語が理解できないといった特徴の他にも、文字が歪んだり滲んで見えたり、鏡文字に見えたりするなどの症状もみられます。
また文字と音が結びつかない、文字の形を認識できないなどの症状の方は「書字障害(ディスグラフィア)」と呼ばれます。
他にも書字障害の方は、手先が不器用で文字の大きさを揃えられない、といった特徴もみられます。
「算数障害(ディスカリキュリア)」は失算症とも呼ばれており、読み書きには全く問題がないにもかかわらず、数の概念が身につかない障害です。
家族が抱える3つの悩み
特性のため周囲や社会と上手く折り合いが付けられず、悩みを抱える発達障害の方は少なくありません。
そして発達特性が原因の悩みは発達障害当事者だけでなく、周囲の人たちも悩ませているのです。
1.コミュニケーションや接し方の悩み
発達障害の方が直面する大きな問題の一つに、コミュニケーションの困難さがあります。
コミュニケーションの問題は障害者本人だけでなく、家族や周囲の人間にとっても悩みの種です。
発達障害者の中には、物事の受け取り方や感じ方が一般の人とは違う方もいます。
その人に合ったアプローチで接しないと、正しく意図が伝わらなかったり、誤解を生んでしまったりするのです。
たとえば発達障害のパートナーと旅行の計画を立てて、「どこに行きたい?」と相談したとします。
もしパートナーに適切な選択をするのが苦手な特性があると、いつまでも旅行先が決まらないということになりかねません。
こうした不満の積み重ねで、お互いの関係性に問題が生じてしまうこともあります。
しかし発達障害は能力に凹凸がある障害です。
優柔不断なパートナーならば行き先を事前に提案して、目的地までのルートを考えてもらうといった具合に役割を分担し、得意なことを任せてみてはどうでしょうか。
その人の障害特性を理解して得意なことを見つけることが、円滑なコミュニケーションに繋がるのです。
2.将来への不安
発達障害をもつ家族の進路や就職も、家族にとっては大きな悩みです。
子供であれば親の目も行き届きますが、成長するにつれすべてをサポートするのは難しくなります。
自立して安定した生活を送れるようになってほしい、と望む家族も多いでしょう。
不安を家族だけで抱え込まず、進学や就職などで将来を見越した支援制度を活用していく必要があります。
3.家族の負担
発達障害当事者がコミュニケーションに困難を抱えている場合、心配する家族の気持ちを理解できず傷つけてしまうこともあります。
疲弊した家族がカサンドラ症候群になってしまう事例は、よく知られる話でしょう。
カサンドラ症候群は、共感性の低い障害特性を持つ家族やパートナーとの関係に、大きな精神的ストレスを感じることで起こります。
どれだけ発達障害者である家族やパートナーを支えても、報われない一方通行な関係だと感じ、「一緒にいるのに孤独」だと追い詰められてしまうのです。
具体的には不安や抗うつ、頭痛や眩暈といった心身の症状が引き起こされます。
発達障害とカウンセリング
発達障害にカウンセリングは意味がない、という意見もネット上では散見されます。
これは発達障害が、完治しない障害であることからきている意見ではないでしょうか。
しかし個々の障害当事者のニーズに合ったカウンセリングを行うことで、日常生活でのストレス軽減が可能になります。
具体的なカウンセリングとして、認知行動療法やアサーション(自己主張)トレーニング、ソーシャルスキルトレーニング(SST)、アンガーマネジメント(怒りのコントロール)などがあります。
このように生活の質を向上させるために、発達障害の方がカウンセリングを受けるのは重要なことです。

誰かに聞いてもらうって大事なことだよ
家族へのカウンセリング3つのメリット
発達障害の方だけでなく、その家族がカウンセリングを受けることのメリットをご紹介します。
1.障害への理解が深まる
大きなメリットの一つが、医師や専門家との対話やアドバイスにより、障害への理解が深まることです。
一見すると筋が通っていないように思える障害当事者の言動も、彼らの抱える障害特性を理解すれば、理由があってのことだと理解できます。
こうした理解の深化によって、サポートする側の考えが変われば、より適した対応が取れるようになるのです。
2.かかわり方を相談できる
親密な人間関係だからこそ意見が合わず衝突したり、疲弊したりすることもあります。
発達障害の方には個々の特性に合わせた、適切な対応や声掛けが必要です。
カウンセラーに相談することで、適切な声掛けや距離感を再考するきっかけになるのではないでしょうか。
3.支える家族の心のケア
発達障害の家族やパートナーを支えるには、自分の心身が健康で安定している必要があります。
心に余裕がなくなると、発達障害の方の行動や考えを受け入れるのが難しくなってしまいます。
支える側の心身が健康でいることによって、発達障害の方に寄り添ったサポートが可能になるのです。
障害当事者や家族が利用できる支援制度
発達障害の方や家族が利用できる支援制度をお伝えします。
子どもの発達障害
どの様な障害を抱えているかにもよりますが、一般的に発達障害は早い時期から個々の発達段階に応じた支援を、一貫性をもって行うことが重要とされています。
発達障害の子どもがいる家庭のための事業をいくつかご紹介します。
障害児相談支援
お住いの地域で障害のある子どもと家族が支援を受けて、自分らしい生活ができるようサポートするものです。
様々なサポート制度を利用するための、障害児支援利用計画を作成したり、専門の相談支援員が適切な障害福祉サービスを提案してくれたりします。
保育所等訪問支援
児童福祉法により、障害のある子どもが保育所や学校などで、障害のない子ども達と一緒に集団生活ができるようサポートする制度です。
専門の支援員が保育園や学校などの施設を訪問して、子どもが安心して集団生活を送れるように環境を整えます。
参照:こども家庭庁「保育所等訪問支援ガイドライン(令和6年7月)」
放課後等デイサービス
障害のある就学児童が、学校の授業が終わった後や休日に利用できる障害福祉サービスです。
集団活動を通して家庭以外の居場所を作ったり、学校外での友人関係を築いたりします。
参照:こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」
家族のスキル向上支援事業の推進
家族が受けられるスキル向上支援もあります。
ペアレント・トレーニングとは、障害のある子どもを養育する家族のための訓練プログラムです。
保護者が子どもの障害特性による行動を理解し、適切な対応方法を習得することで、子どもの行動変容を促すことを目的としています。
親子の良好な関係構築のために、ペアレント・プログラム、ペアレント・トレーニングを保護者に対して行います。
大人の発達障害
大人の発達障害は、自立して生活できるかも大きな問題です。
日常の生活面だけでなく、就労に関するサポート制度についてもお伝えします。
発達障害者支援センター
発達支援に関する相談や家庭での接し方などのアドバイスの他、様々な発達検査を実施しています。
発達障害者の特性に応じた療育や教育、具体的な支援方法について支援計画の作成や助言を行います。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、全都道府県及び政令指定都市に設置されています。
心の健康に関する相談ができる施設で、自立や社会復帰を目指す方への指導と援助も行います。
活動内容は地域によって異なるため、お近くの精神保健福祉センターに問い合わせてみましょう。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、障害者総合支援法による福祉サービスです。
障害を持つ方が事業所に通いながら、就労に必要なビジネススキルを身に付けられる、学校のような施設です。
体調管理や生活リズムの改善といった、体調面でのサポートも受けられます。
就職に関する支援としては、応募書類作成や面接対策、職場見学などを行っています。
また就労定着支援などを通して、就労後のサポートもあります。
学べるスキルは事業所によって異なるため、学びたいプログラムのある事業所を探してみましょう。
就労移行支援事業所は通所型の施設なので、事業所探しの際は通いやすい場所にあることも重要です。
ハローワーク
ハローワークには障害者専用の窓口があり、専門的な知識をもつ職員が相談に乗ってくれます。
障害者就業・生活支援センター
障害を持つ方がお住いの地域で、就労・生活面での一体的な支援や雇用の促進・安定を図る機関です。
雇用、保健、福祉、教育等の関係機関と連携しており、全都道府県に設置されています。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは47都道府県、すべてに設置されています。
個々の利用者の障害特性に合わせた就労能力の評価や職業訓練など、専門的な職業リハビリテーションサービスを提供しています。

色々な支援があるね
ここあらさんからのアドバイス
「家族も同じように不安や悩みがあるよね
抱え込まないでサポートも受けてみてね」

今回は身近に発達障害者がいる方の、障害への向き合い方などを伝えしました。大切な家族やパートナーとの未来のためにも、医療や支援制度を積極的に活用してみましょう。
私たち就労移行支援事業所COCOCARAでは、障害等の事情があって就職・再就職に悩んでいる方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行なっています。「障害があるから仕事が見つからない…」などのお悩みを抱えている方は、一度相談に来てみてはいかがでしょうか。

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