アダルトチルドレン(AC)は1970年代にアメリカで使われだした言葉で、元々はアルコール依存症の親がいる家庭で育った人たちを指す言葉です。
この言葉が日本で人々の関心を集めたのは、当時のアメリカ大統領ビル・クリントンが自分はACだと発言したことに端を発します。
その後日本国内でもアダルトチルドレンに関する書籍が数多く発行され、現在では機能不全な家庭で育ち心に傷を負い、成人後も生きづらさを感じている人を意味する言葉として日本社会に浸透しました。
今回はそんなアダルトチルドレンの方たちが抱える、特徴や接し方などをお伝えします。
アダルトチルドレンとは?
アダルトチルドレン(Adult Children)とは、子どもの頃の親や養育者との関係が原因でトラウマ(心的外傷)を負い、それによって成人後も様々な生きづらさを抱える人たちのことです。
原因としては親や養育者からの心理的・精神的・性的な虐待や育児放棄、近年メディアでも話題になった毒親の存在、親のアルコール依存などといった本来の自分を出せない養育環境で育ったためといわれます。
アダルトチルドレンとは医学上の診断名ではなく、特定の治療法もありませんが、幼少期の家庭環境を振り返り自分がアダルトチルドレンであることを自覚して内省することが生きづらさを克服する第一歩になります。
アダルトチルドレンの特徴
成人後も生きづらさを抱えるアダルトチルドレン。
アダルトチルドレンにはいくつかの特徴があり、大きく分けると6つのタイプに分けられるといわれます。
1.ヒーロー(英雄)
長男や長女によく見られるヒーロータイプは、子どもの頃から周囲に期待されることが多く、その期待に応えるためにしっかりせざるを得ませんでした
期待に応えることを最優先に行動するため、本当に自分が望んでいることではなく「親を喜ばせたい」「親に叱られたくない」といった他人軸の理由で努力しています。
そのため失敗するとすぐに気持ちが折れてしまうといった、打たれ弱い一面があります。
逆に挫折を知らないまま大人になった場合、自他の失敗を許せない白黒をはっきりつけたがる大人になってしまう可能性もあります。
2.スケープゴート(生贄)
ヒーロータイプが親の希望通りの行動をとろうとするのに対して、スケープゴートタイプは非行などの問題行動を起こし、家庭内での問題児を演じるのが特徴です。
機能不全を起こしている家庭の中で「この子さえいなければ」と家族の怒りや不満、鬱憤を受け止める役割を負うことで家族のバランスを保とうとするのです。
このタイプの方は人が信じられず、いつか捨てられるのではないかという「見捨てられ不安」や「自己否定感」が強いため自暴自棄になることも多く、周囲に「短期で怒りっぽい」と思われてしまうのです。
3.ケアテイカー(世話役)
ケアテイカーは機能不全に陥った家族の世話を、献身的に行うタイプのアダルトチルドレンです。
近年では「ヤングケアラー」とも呼ばれ、家庭内で看護の必要な者の世話をしたり、父母に代わり家事や弟妹の面倒をみたりする子どもたちが社会問題にもなりました。
家庭を維持するために自分のことを後回しにしてでも、家族の世話をして献身的に家族を支えます。
同時に世話をして褒められたり感謝されたりすることで、ケアテイカー自身も喜びを感じて依存してしまうこともあります。
過干渉な一面があり、必要以上に世話を焼いて相手を依存体質にしてしまうこともあるのです。
4.イネイブラー(慰め役)
ケアテイカーと同じく、自分のことは後回しにして家族を支えるタイプです。
しかしケアテイカーが「褒められたい」「感謝されたい」と感じるのに対して、イネイブラーは褒められたり感謝されたりしなくても相手に献身的に尽くします。
このタイプは「アルコール依存症の人にお酒を用意する」といった具合に、献身的であるが故に相手の嗜癖や問題行動を助長してしまいます。
恋愛でもダメな人ばかりを好きになったり、相手が成長しようとするのを妨げたりする傾向があり共依存に陥りやすいタイプです。
5.ロスト・ワン(いない子)
存在感がなく目立たないロスト・ワンタイプは、家庭の中で最初からいない子としてふるまうことで、家族から傷つけられないようにしています。
これまでの養育環境などによって、人と関わることは辛いことだと刷り込まれているので、一人で過ごす方が楽だと感じるのです。
ロスト・ワンタイプは、以前はネグレクト(育児放棄)の養育環境が原因と考えられていましたが、近年では過干渉な家庭や、兄弟が違うタイプのアダルトチルドレンであるなどの場合もロスト・ワンタイプ化しやすい傾向があるとされます。
6.ピエロ(道化師)
人懐っこく誰とでも仲良くなれるピエロタイプのアダルトチルドレン。
例えば父母が喧嘩ばかりしているような機能不全家族の中で、おどけたり面白いことを言ったりして家庭内の空気を和ませ明るくしようとします。
一見すると問題ないように感じるピエロタイプですが、常に相手の顔色を伺い、自分自身の怯えや不安を隠すために明るくひょうきんな性格を演じるのです。
ピエロタイプのアダルトチルドレンは「自分が皆を明るい気分にしなければいけない」という思いが強いため、場合によっては体調が悪いことさえも隠して明るいマスコット役を演じてしまいます。
接し方や治療法への理解を深める
アダルトチルドレンを抱える方への接し方や治療法を知ることで、建設的な関係を築けます。
接し方
アダルトチルドレンの方は幼少期に機能不全家族の中で育ったため、大人になってからも「また傷つけられてしまうのではないか」という警戒心が解けません。
そのため嫌われないよう必要以上に無理をしたり、逆に依存したりします。
これはアダルトチルドレンの方が子どもの頃に、家庭で適切な人間関係がどういったものかを学び、経験する機会がなかったためです。
一人の独立した人間同士、相手を尊重して関わることが一番であり、そのためには相手との適切な距離感が鍵となります。
アダルトチルドレンの方と接するときは、以下のような点を注意して接しましょう。
・相手のトラウマを理解したうえで関わる
・会話の習慣化
・無理にすべてを受け入れるのではなく、自分の気持ちもはっきりと伝える
・相手を認めて「褒める」ことが大切
・同情ではなく「共感」をする
治療法
アダルトチルドレンは医学的な診断名ではなく、治療法も確立していません。
しかし生きづらさを感じることで現れる、様々な症状に対する治療法があります。
例えばうつや不安障害、不眠などの症状が現れている場合、薬物治療によって症状を和らげることができます。
カウンセリングでは幼少期の辛い過去を整理し、トラウマと向き合うための認知行動療法(CBT)などを行います。
自助グループの勉強会やミーティングに参加することで、アダルトチルドレン当事者同士の自助作用が期待できます。
また各医療機関や精神保健福祉センターなど、アダルトチルドレンの相談に乗ってくれる機関が存在します。
もし自分や大切な人が「アダルトチルドレンなのかな?」と感じたら、一人で抱え込まず相談してみましょう。
参照:特定非営利活動法人ASK 「自助グループ一覧」
参照:厚生労働省HP「精神保健福祉センター一覧」
まとめ
今回はアダルトチルドレンの方の特徴や接し方についてお伝えしました。
日常生活や仕事で生きづらいと感じたり、親しい人との接し方で悩んだりしているなら、もしかしたらアダルトチルドレンかもしれません。
人間関係や仕事に影響を及ぼすこともあるアダルトチルドレンの症状ですが、過去と向き合うことで、トラウマから回復する方法が見つかるのではないでしょうか。
私たちCOCOCARAは、就労移行支援事業所として、障害等の事情があってお仕事に就くことに苦労している方に対して、相談や就職準備、アドバイスなどのサポートを行なっています。
「障害があるから仕事が見つからない…」などのお悩みを抱えている方は、一人で悩まずに一度相談に来てみてはいかがでしょうか。
自分に合った職場で働くお手伝いが出来たらと思っています。
Webデザイン #動画編集 #htmlcss #就活 #うつ病 #発達障害 #適応障害 #hsp #豊島区 #就労移行支援 #池袋 #東武東上線 #都営三田線 #COCOCARA #障害者雇用 #板橋 #所沢 #所沢市 #所沢駅 #所沢駅すぐ #所沢駅近 #西武線 #新宿線 #池袋線 #ここあら
——————————————————————————————-
見学・体験へのお申込み・相談は ☆
こちらのフォーム または🐨
・電話 03-5980-8834 (電話受付時間 平日9時30分~18時)
・メール:info@cccara.com
・ホームページ:https://cccara.com/lp/
からもお気軽にご相談くださいませ🐨